サーフィス | just an old occurrence*

サーフィス


「でもね、さっきじっとクラゲを見ているうちに、私はふとこう思ったの。私たちがこうして目にしている光景というのは、世界のほんの一部にすぎないんだってね。私たちは習慣的にこれが世界だと思っているわけだけど、本当はそうじゃないの。本当の世界はもっと暗くて、深いところにあるし、その大半がクラゲみたいなもので占められているのよ。私たちはそれを忘れてしまっているだけなのよ。そう思わない? 地球の表面の三分の二は海だし、私たちが肉眼で見る事のできるのは海面というただの皮膚にすぎないのよ。その皮膚の下に本当にどんなものがあるのか、私たちはほとんど何も知らない」

『ねじまき鳥クロニクル 第二部予言する鳥編』村上春樹 著



壮大な言葉のはずなのに、不思議に人の心の深い所に迷い込んでいくような不安に駆られる。

どうも最近、想像力が鈍って来た。

あまり本を読んでないからかな。